VRChat雑記

かやのみちゃのVRChat関連の雑記ブログです

VRChatでワールドを作るモチベーション、楽しさ

自分がVRChatでワールドを作っているモチベーションについて書こうと思う。VRChatでワールドを作ることはもちろん楽しい。VRで建築を行うことで実際に入れて、友人と遊べる。それだけでもいいのだけれど、これからの未来ではもっとすごいことになると思っている。

自分は最近、VRChatということにはあまりこだわらないようにしている。それは魅力がないとかじゃなくて、VRChatはあくまでVRの一部に過ぎないということ。たしかに現在のVRSNS覇者だと思うが、ここで培った技術は他でも活かすことができると思う。むしろ他の要素と関連付けることでよりVRの世界が広がっていくと思う。VRの世界が広がることでVRChatにも新しい機能や世界がもっともっと広がり人口も増えるだろうと思う。

ここでは自分の想像する未来について書いていく。長いので注意。
こういったことを考えながらVRChatを遊び、ワールドを作ったり人のを見たり、他のサービスをちょっと触ったりするのが楽しい。モチベーションになっている。

空間の統計解析によって企業参入が捗りそう

これはWebの世界でGoogle Analyticsが猛威をふるっているように、VRの世界でも行動トラッキングなどができて製作者に還元されると企業の参入が相次ぐだろうと思っている。例えば製品の展示について効果的に導線設計をするのは難しい。昨今ではお店に実際に来てもらうことすら難しい。AmazonなどWeb販売と戦わなければならないからだ。

お客さんは商品の実際の寸法、見え方を知りたいのであって実際に店に足を運ぶ必要はない。店の面構えがきれいだから見に行きたいのではない。(おそらくね)

メルカリなどによるAR出品、AR閲覧などは既存の商品展示やWebによるカタログなどにじわじわダメージを与えるだろうと推測される。スマホで手軽に3Dで見ることができ、自分の手元や部屋に配置して、さらにライティングまで完璧になれば店舗で商品を見るだけの人にとって足を運ぶ動機は激減する。

さらに言えばコストも問題だ。当然のことながら都内の一等地にいい店を構えても地方在住の人は行くことができない。店内の展示を見てもらおうにもそういった人はこないのなら意味はない。ターゲットは必然的に絞られていく。

VRによるワールド展示、ワールド作成はそういった問題を払拭できる可能性がある。店側によるブランディングがなされた空間を作り、より効果的に商品に触れてもらう、見てもらう、過ごしてもらう。そこでユーザがいったいなにをしたのか、どこで過ごしたのか。これらが平均値やパラメータによって属性分けされた影のように表示されれば企業の内装担当者は相当喜ぶだろう。VRでは距離が関係なく、文字表示もそのうち自動翻訳もされるだろう。国際化もばっちりだ。

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バーチャルマーケット3のセブンイレブンは…うん。インパクトも大きかったですね。もしかするとこのロゴのついた画像とハッシュタグのツイートを画像処理してなにが一番ユーザがSNSで拡散したか、話題になったか解析して提出したりすると面白いのかもしれない。

この空間情報による表示はおそらくバーチャルキャストが一番有望だと思う、というかバーチャルキャストの技術に衝撃を受けてこういった発想に至った。12月に大規模アップデートによるタイムシフト視聴が該当すると思う。観客それぞれの動き、演者の動きを保存していつでも再生できる技術は応用が絶対に効く。これは徐々に影響が広がるだろうと思う。

IoTデバイスで小型のバッチをつけてもらい、自由に空間を歩いてもらって行動測定。カメラで顔認識してどのフロアにいたかも判別してより顧客ニーズにあった店舗設計…。そういったものも、VRでの体験で改善する可能性は大いにある。

と思って書いてみたけれどどうやら先行事例があったらしい。ヒートマップとして見たところが赤く染まるという。VRChatのシェーダー芸、謎技術で実装できるかもしれないが、保存して重ねていくのは難しいだろう。とはいえ不可能ではなさそうだ。ただ、どうも流行らなかったっぽいのは気がかり。

コミュニケーションの設計に役立つ

一番自分が面白い部分だと思っているところ。IT企業、Googleなどはオフィスのレイアウトにかなり力を割いている。これは空間の設計によって社員同士のコミュニケーションが円滑になるからだ。そして社員一人ひとりがリラックスして知的生産性を最大限に活かせるような設計が求められる。遊びや奇抜さをメディアに対してアピールするのではない。過酷な要件だと思う。つまり利益のための空間に最終的になっている。

今後よりよいコミュニケーションを促す空間が作られればあっという間に導入されるだろう。最近ではコワーキングスペーススターバックスなどの空間で仕事することが好きな人も増えている。仕事に集中できる、リラックスも兼ねた空間。そこにいたいと思わせる空間。そういった知見が求められる。

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こたつとみかんとおちゃと畳があればいいというのは暴論だけどここは落ち着ける空間ですよという記号的な表現によく頼ってしまう。海外向けではないのでこういう文化的なところも配慮は必要そうだが、やりすぎると無個性になりそう。

リモートワークでの課題も同じ。地方と地方で離れている場所で会議をすると対面よりもコストが掛かると言われている。作業などをしていても互いの姿が見えたり、ちょっと立ち話もしづらいとも言われる。今後VRヘッドセットが軽くなり、小型化すれば話しやすくなるかもしれない。そのときには現代のオフィスよりもずっと安いVR空間の設計に目が向けられるだろう。

こうしたリモートワークやVR会議における空間の録画、ログ解析は部屋を作るクリエイターやもちろん企業の設備や人事担当者にとって嬉しいはずだ。特にIT企業ではコミュニケーション量の測定、誰と話すか、どこで過ごすかもとにかくデータを大量に欲しがり、それをフィードバックして改善したがる。この動きがどこかで働くと、一気に時代は変わるだろうと思う。

職場の人間科学という本があるのだけれど、これはIoTのバッチを首から下げて話した時間、立ち話の場所、話す人との関係図を描いたりした研究。ピープルアナリティクスの分野だ。非常に面白い。IT企業の分野はこうした人の心の研究、空間での過ごし方の影響を測定することが知的生産性の向上に寄与し、企業の利益に直結する。こうした分野がVRに目をむけてくると、とても面白くなるだろう。原著は2013には出てたのだから、もう7年前である。

VRChatで話していると思うけれど会議中にじーっと座っている必要は全然ないなと思う。これは自分が多動気質なのが問題なのかもしれないが…。どうも手元で遊べるものがあると考えることに集中できる。ときに目線を変えたり、移動したり、はねたりすることで思考が捗る可能性がある。現実ではつかれるから、相手に集中するためという理由で机+椅子な会議室が多いが、人間の本質を考え直して物理成約を取り払った形でVRによるコミュニケーションの再設計をするときっと面白くなると思う。

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VRでは机を投げてもプレイヤーにダメージは入らないが、感覚持ちにはダメージが入るのでやっぱりあぶない。まあ現実よりは安全なので常識を壊していこう。空間を破壊しても許されるし、そういう設計は楽しい。

課題:酔い、歩いても疲れない問題、移動面倒問題

VRにおいて問題なのは酔うこと。そしてその酔いは完全に解析されず、人それぞれどこまで耐えられるか変わること、現状鍛える方法も見つかっていないこと。この問題に付随してプレイヤーの移動方法も考慮する必要がある。

酔いについてはヘッドセットの遅延改良、画質向上はもちろんのこと、ソフト方面としてワールドの設計には注意を払う必要があるだろう。もしくは鍛えられるようなものを作り出すのもありかもしれない。ただ一般人はそんなことは頑張らない。確実に利用者を増やすにはベストプラクティスが必要だ。このためには膨大な試行ときちんとした数字や理論による説明がいる。

移動方法もとても問題で、VRでボタンを押しっぱなしにして移動するのは面倒くさい。歩く速度が早くても酔う。テレポートしまくりではどこにいるかわからずにやっぱり酔う。VRにおけるプレイヤーは移動自体を目的としない限り(電車ワールドとか)は、移動を頑張る必要はたぶんない。

もう一つ、これは毒にも薬にもなることだがプレイヤーのワールドエントリー地点の自由化。これが結構面白い問題だと思う。バーチャルマーケット3ではテレポート機能が実装されフレンドの近くに移動することができるようになった。これは結構革命的でTwitterのタイムラインでは大好評だったと思う。つまりプレイヤーは歩いてフレンドに会いに行きたいのではなく、どこにいるか把握して、会いに行きたい。それを省略化するのがテレポートである。

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現在のVRChatのワールドの多くはプレイヤーの初期地点はだいたい固定化されていて、プレイヤーをそこから案内するようなデザインを作ることがよくあると思う。これは当然に思えるけれど、実際ワールドが広いと迷う、どこにいるかわからず相当ストレスが溜まっている人もいるだろう。

もっとかっこいい方法ならワールドを上空マップから見たり、Googleストリートビューみたいにある程度サムネイル的に見て、フレンドがどこにいるかある程度把握し、そこにダイブするようにしたい。

こうなると現実でよく考えられてきた人の導線設計のエントリーポイントという概念が破綻する。どこからでも自由に入ってこられるからだ。実は自分は導線設計がなんだか好きではない。誘導されている気がしてちょっと反抗心が出る。大事だしワールド製作者が「ここみてここ!」という感じに設計するのはまあわかる。自分もよく作るが、でも本当は空間は人に奉仕すべきだと思う。コンセプト次第なのでユーザにわかりやすく提示されるといいとは思うが。

ここらへんは意見がわかれるだろうが、VRChatがどっちに行くかは興味深い。ワールド製作者よりにするなら入場口はワールド製作者に委ねられる。人よりにするならワープエントリーが実装される。まあ折衷案もでるかもしれないが、慣れてくると自由入場禁止のワールドにはちょっとむっとするだろう。

おわりに

いまはVRChatでワールドを作っているけれど、VRChat限定での話だと世間もあんまり目を向けてくれないのはしょうがないと思う。でもそこからコミュニケーションが捗る空間づくりを研究しているとか本質的なことを考えていけば、いくらでも応用が効くと思っている。そして同様の課題を持つ人が興味を持って、関連するものに導いてくれる可能性もある。

たかがVRChatじゃない。人が集まって、人が過ごす空間を考えることはとっても楽しいことだ。少なくとも自分はそう思って、とってもわくわくしている。だからこれからもワールドづくりを拙いながら続けていきたいと思っている。…まあ全然技量がないのは重々承知ですが。でも作っているからこそ、作られたものに感動と、未来をすごく強く感じるのだ。